【2024年版】ラーメンチェーンの店舗数ランキング
2024年8月19日 | 業界・地域分析
原材料費、光熱費、人件費等の高騰が続く中、「(1杯)1,000円の壁」が崩れつつあるラーメン業界。国内の店舗数はどのような動きをみせているのでしょうか。
2024年版(2023年4月~2024年4月)では、当社のチェーン店データを元に、「ラーメン・餃子チェーン」の月別推移やチェーン別店舗数ランキング、前年同月比の増減状況を集計しました。
データの集計方法について
- 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのチェーン店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
- 2024年4月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
- 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
- 店舗数の増減率(%)は、2024年4月と2023年4月の対比で算出しています(小数点2位以下は四捨五入)。
目次
- 【月別推移】ラーメンチェーン 店舗数(全体、2023年4月~2024年4月)
- 【2024年版】ラーメンチェーン 店舗数ランキング(上位30)
- 【海外出店動向】「国内では中堅・中小規模のチェーン」が積極展開
- 【まとめ】種類の多様化と同様に、業況もさまざま
【月別推移】ラーメンチェーン 店舗数(全体、2023年4月~2024年4月)
↑0.7% わずかながら前年比プラスに
ラーメンチェーン全体の1年間(2023年4月~2024年4月)の店舗数推移をみると、前月より増加した月が9カ月と大半を占め、1年間で 0.7%(55店舗増)の微増となりました。
当社の過去集計と比べてみると、2022年版(※)の前年同月比 0.04%減、2023年版(※)0.2%減と微減が続いたものの、今回 2024年版はわずかながらプラスとなりました。
※2022年版と2023年版は、7月の前年同月で比較。
店舗数の前年同月比増減率
業種 | 2023年4月 | 2024年4月 | 増減率(%) |
---|---|---|---|
ラーメン・餃子チェーン | 7,385 | 7,440 | +0.7 |
【2024年版】ラーメンチェーン 店舗数ランキング
「油そば」チェーンの増加率が大
チェーン別店舗数ランキングを4月の前年同月比でみると、上位30位以内で増加しているのは16チェーンで、減少が11チェーン、プラスマイナスゼロが3チェーン。増加幅が大きいチェーンは下半の15~30位に多くみられ、上位は若干減が目立っています。その中でランキング9位の「丸源ラーメン」のみ 9%(17店舗増)と高い増加率となっています。
最も増加率が大きいのは「東京油組総本店(29.2%・14店舗増)」で、2番目が「歌志軒(26.1%・18店舗増)」と、「油そば」のチェーンが続いています。
そのほか 2ケタ台の伸びをみせているのは、「神座(18.1%・13店舗増)」「ずんどう屋(17.3%・13店舗増)」「まこと屋(15.4%・10店舗増)」「町田商店(10.6%・13店舗増)」。いずれも2022・2023年版に引き続き 順調に店舗数を増やしているチェーンです。
一方、減少幅が比較的大きいのは「どさん子ラーメン(16.0%・15店舗減)」と「筑豊ラーメン 山小屋(11.4%・9店舗減)」で、上位大手では「幸楽苑(5.7%・22店舗減)」となっています。
チェーン別 店舗数ランキング
順位 | チェーン名 | 2023年4月 | 2024年4月 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
1位 | 餃子の王将 | 730 | 730 | 0 |
2位 | リンガーハット | 568 | 561 | -1.2 |
3位 | 日高屋 | 405 | 421 | +4.0 |
4位 | 幸楽苑 | 386 | 364 | -5.7 |
5位 | 大阪王将 | 346 | 331 | -4.3 |
6位 | Sugakiya | 258 | 256 | -0.8 |
7位 | 来来亭 | 249 | 249 | 0 |
8位 | 天下一品 | 223 | 218 | -2.2 |
9位 | 丸源ラーメン | 188 | 205 | +9.0 |
10位 | らあめん花月嵐 | 196 | 187 | -4.6 |
11位 | 山岡家 | 172 | 181 | +5.2 |
12位 | 田所商店 | 157 | 166 | +5.7 |
13位 | くるまや | 145 | 142 | -2.1 |
14位 | 魁力屋 | 130 | 136 | +4.6 |
14位 | 町田商店 | 123 | 136 | +10.6 |
16位 | 一風堂 | 107 | 114 | +6.5 |
17位 | 8番らーめん | 115 | 113 | -1.7 |
18位 | ぎょうざの満州 | 102 | 103 | +1.0 |
19位 | ずんどう屋 | 75 | 88 | +17.3 |
20位 | 歌志軒 | 69 | 87 | +26.1 |
21位 | 神座 | 72 | 85 | +18.1 |
22位 | 一蘭 | 84 | 80 | -4.8 |
23位 | どさん子ラーメン | 94 | 79 | -16.0 |
24位 | まこと屋 | 65 | 75 | +15.4 |
25位 | 紅虎餃子房 | 74 | 74 | 0 |
26位 | 筑豊ラーメン 山小屋 | 79 | 70 | -11.4 |
27位 | 味千拉麺 | 65 | 68 | +4.6 |
28位 | 喜多方ラーメン坂内 | 64 | 65 | +1.6 |
29位 | 東京油組総本店 | 48 | 62 | +29.2 |
30位 | てんがら | 57 | 60 | +5.3 |
ランキングは当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。
【海外出店動向】「国内では中堅・中小規模のチェーン」が積極展開
海外でのラーメン人気は近年ますます高まっており、国内チェーンの海外出店も話題に事欠かない状況です。ここでは当社の店舗数ランキング上位30チェーンの、現在(2024年7月)での海外展開動向を探ってみました。
全体的にみると、国内に多くの店舗を持つ大手チェーンの海外出店数は全体的に少なく、ランキング5位の「大阪王将」の19店舗(2024年7月現在)が唯一目立ったところです。
一方、近年の海外ラーメンブームの立役者ともいわれる「一風堂」と 1992年に海外1号店を出店した「8番らーめん」は、海外店舗数が国内を上回る状況となっています。海外が約 635店と飛びぬけて多い「味千拉麺」は、国内の10倍近くに上っています。
また「山頭火(海外店舗数・42)」や「ばり馬(同・23)」のように、国内店舗数は少なめながら(※)海外では存在感を示しているチェーンもあることから、ラーメンチェーンの実力が、国内だけでは計り知れないものになってきている状況がうかがえます。
※当社データによる国内店舗数は、山頭火:14、ばり馬:25(2024年4月時点)。
最近では、積極的なチェーンのさらなる拡大はもとより、海外出店がない大手や「まだ1・2店」といったチェーンが今後のグローバル展開に大きな意欲を見せており、ラーメン店の海外進出はますます盛んになっていくものと思われます。
【表】海外で10店舗以上を展開するチェーン(※)
※対象:当社の店舗数ランキング(国内)上位30チェーン。
※各社ホームページ および 決算報告資料に掲載されている情報のみを参考に作成しました。
チェーン名 | 海外店舗数(店) | 説 明 |
---|---|---|
味千拉麺 | 約 635 | 2024年7月現在(ホームページに掲載)。中国中心に展開 |
8番らーめん | 161 | タイ158店(2023年12月24日現在)、ベトナム3店(2023年12月1日現在)、ホームページより。 |
一風堂 | 135 | 2024年3月末時点。「IPPUDO」「IPPUDO EXPRESS」の合計(力の源ホールディングス 2024年3月期決算短信より)。タイ、台湾、中国、シンガポール等 |
歌志軒 | 32 | 2024月7月現在(ホームページの店舗一覧より)。中国中心に展開。 |
筑豊ラーメン 山小屋 | 26 | 2024年7月現在(ホームページの海外店舗情報より)。フィリピン、中国等。 |
大阪王将 | 19 | 2024年7月現在(ホームページの海外店舗のご紹介より)。台湾等。 |
まこと屋 | 14 | 2024年7月現在(ホームページ店舗一覧より。2024年9月開店予定を含む)。オーストリア等。 |
田所商店 | 10 | 2024年7月現在(ホームページ店舗一覧より)。カナダ、アメリカ等 |
町田商店 | 10 | 2024年7月現在(ホームページ店舗情報より)。アメリカ、ベトナム等。 |
【まとめ】種類の多様化と同様に、業況もさまざま
コロナ禍のダメージを受けながらも、飲食業態全体でみると比較的順調に推移してきた印象が強いラーメン業界。この4月(2024年)には、民間信用調査会社2社それぞれの調べによる「2023年度の倒産件数が過去最多」がニュースとなった一方で、積極的な海外出店の話題やチェーン運営会社の好業績の発表も多くみられるなど、多様化するラーメンの種類と同様に、業況も店(ブランド)によって様々に異なっているようです。
コロナ禍でのゼロゼロ融資、休業・時短営業協力金がなくなったことや、原材料費、光熱費、人件費の高騰等の環境変化についていけないラーメン店が倒産・廃業に至ったとみることもできますが、規模が大きければ安泰かというと、そうも言いきれないのがこの業界です。今後どんな業態で、どんな経営方針の、どんな味のラーメンチェーンが激しい競争を生き残り、成長を遂げていくのか。海外出店動向も含め 注目していきたいところです。
本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。
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