【2023年版】ホームセンターの店舗数ランキング
2023年4月24日 | 業界・地域分析
巣ごもり需要の恩恵を受けた2020年と、反動減となった翌2021年、そして2022年も減収の企業が目立つホームセンター業界。店舗数はどんな動きをみせているのでしょうか。
2023年版(2022年2月~2023年2月)では、当社のチェーン店データを元に、ホームセンター店舗数の月別推移やチェーン別店舗数ランキング、前年同月比増減状況を集計しました。また、上位チェーンの店舗数年推移(2019~2023年)やM&Aの動向、都道府県別の店舗展開状況などもまとめてみました。
データの集計方法について
- 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのチェーン店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
- 2023年2月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
- 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
- 店舗数の増減率(%)は、2023年2月と2022年2月の対比で算出しています(小数点2位以下は四捨五入)。
目次
- 【月別推移】ホームセンター 店舗数(全体、2022年2月~2023年2月)
- 【2023年版】ホームセンター 店舗数ランキング(上位15)
- 【年推移】チェーン別 店舗数(2019~2023年2月時点、上位10)
- 【まとめ】M&Aやプライベートブランド開発、プロ向け業態拡充等の戦略つづく
●コメリ ●ワークマン(他2ブランド) ●ホームプラザナフコ ●ホームセンターコーナン ●DCM(他7ブランド) ●カインズ ●アストロプロダクツ ●ホームセンター ケーヨーD2 ●ジュンテンドー ●コーナンPRO
【月別推移】ホームセンター 店舗数(全体、2022年2月~2023年2月)
↑2.7% 数は若干ながら、3年連続で増加
ホームセンター全体の1年間(2022年2月~2023年2月)の店舗数推移をみると、前月から店舗数が減ったのは7月(14店減)と9月(3店減)のみで、ほかの月は増加しています(増加数が比較的大きいのは10月の43店、8月の38店)。その結果、2月の前年同月比では2.7%増、件数にすると153店舗増加しました。
2021年版が2.4%増、2022年版で1.9%増、今回と、若干ながら増加傾向が続いています。
店舗数の前年同月比増減率
業種 | 2022年2月 | 2023年2月 | 増減率(%) |
---|---|---|---|
ホームセンター | 5,575 | 5,728 | +2.7 |
【2023年版】ホームセンター 店舗数ランキング
チェーン別店舗数ランキングを2月の前年同月比でみると、増加しているチェーンは約半数の14チェーンで、プラスマイナスゼロが6チェーン。全体3分の1の10チェーンでは減少しています。
プロショップ、仕事用品店など専門店の健闘目立つ
最も高い増加率を示しているのはランキング3位の「WORKMAN Plus(約27%増)」。プロショップの「コーナンPRO(14.7%増)」と「プロショップホダカ(14.3%増)」も、同水準2ケタの伸びをみせています。2021・2022年版でも伸びが目立った「プロショップ」は2023年版でも依然として好調が続いています。
加えて、建材のプロショップ「建デポ」や、工具専門店「アストロプロダクツ」、仕事用品店「プロノ」も4~7%と手堅く店舗を増やしており、標準的なホームセンターよりも小規模でかつ専門的な店舗の健闘が目立っているようです。
大幅減、激減のウラには理由がある
一方、減少率で目立つのは、2位の「ワークマン(14.4%減)」と、DCMグループ3チェーン[ホームセンター DCMホーマック(46.8%減)、ホームセンター ダイキ(56.0%減)、DCMカーマ(62.6%減)]。ただし、これら大幅減には理由があり、「ワークマン」は当社が収集方法を変更したため、「DCMグループ」はホームセンター事業会社の統合が進行中のためであり、実態としてこのように店舗数が激減しているわけではありません。
「ワークマン」の店舗数が大きく減っているのは、2022年2月から、それまで「ワークマン」に含まれていた「WORKMAN Plus」「ワークマン女子」を、当社(日本ソフト販売)が別々に収集するように変更したことが主な理由です。
「WORKMAN Plus」「ワークマン女子」はこの1年で増加しているため、3ブランド合計では前年同月比3.6%増となっています。
◎DCMグループのホームセンター事業会社統合の詳細は、「チェーン別店舗数年推移」の「DCM(他7チェーン)」の項で説明しています。
チェーン別 店舗数ランキング
順位 | チェーン名 | 2022年2月 | 2023年2月 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
1位 | コメリ | 1,329 | 1,377 | +3.6 |
2位 | ワークマン | 561 | 480 | -14.4 |
3位 | WORKMAN Plus | 372 | 472 | +26.9 |
4位 | ホームプラザナフコ | 345 | 345 | 0 |
5位 | ホームセンターコーナン | 268 | 279 | +4.1 |
6位 | DCM | 22(参考値※) | 268 | - |
7位 | カインズ | 238 | 242 | +1.7 |
8位 | アストロプロダクツ | 189 | 198 | +4.8 |
9位 | ホームセンター ケーヨーD2 | 167 | 164 | -1.8 |
10位 | ジュンテンドー | 127 | 126 | -0.8 |
11位 | コーナンPRO | 102 | 117 | +14.7 |
12位 | ホームコンビニ ホーマックニコット | 109 | 112 | +2.8 |
13位 | ホームセンター DCMホーマック | 188 | 100 | -46.8 |
14位 | 建デポ | 68 | 73 | +7.4 |
15位 | サンデー | 72 | 72 | 0 |
16位 | ダイユーエイト | 70 | 70 | 0 |
17位 | ホームセンター ダイキ | 150 | 66 | -56.0 |
18位 | ホームセンターグッデイ | 65 | 64 | -1.5 |
19位 | ホームセンター スーパービバホーム | 61 | 63 | +3.3 |
20位 | プロショップホダカ | 49 | 56 | +14.3 |
21位 | プロノ | 49 | 51 | +4.1 |
22位 | ロイヤルホームセンター | 50 | 49 | -2.0 |
23位 | ホームセンター ビバホーム | 45 | 44 | -2.2 |
23位 | ひらせいホームセンター | 44 | 44 | 0 |
25位 | コーナンホームストック | 46 | 43 | -6.5 |
26位 | ホームセンタームサシ | 42 | 42 | 0 |
27位 | DCMカーマ | 107 | 40 | -62.6 |
28位 | 島忠(HOMES島忠) | 37 | 39 | +5.4 |
29位 | ニシムタ | 38 | 38 | 0 |
30位 | ホームセンターバロー | 34 | 35 | +2.9 |
※2022年6月時点の店舗数です(グループ内の統合により新設されたチェーンであるため、当社では2022年6月から収集を開始しています)。
ランキングは当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。
【年推移】チェーン別 店舗数(2019~2023年2月時点、上位10チェーン・グループ)
コメリ ~各地農協との協業すすむ 4年前に比べ約9%増~
当社の件数情報から経年でみると、22店、10店、32店、48店と毎年手堅く店舗を増やしています。その結果、2023年2月は2019年2月に対し約9%増となりました。
運営会社は「株式会社コメリ(新潟市)」。1952年に米穀商「米利商店」として創業し、1985年に現在の商号になりました。ホームセンター事業に参入したのは1977年で、1983年に主力店舗形態「ハード&グリーン」の1号店が開店しています。
同社の店舗フォーマットは、低価格と圧倒的な品揃えの大型店「パワー」、利便性を追求する「ハード&グリーン」、インテリア用品専門店「アテーナ」、資材・建材・工具・金物の専門店「PRO」の4形態(※)。
肥料や農薬などプライベートブランド(PB)商品の販売や、農業アドバイザーによる営農支援など「プロの農家向けの店づくり」が特徴で、近年は各地の農業協同組合との協業も進んでいます。
当社データから2023年2月時点での都道府県別出店状況をみると、沖縄以外の46都道府県に進出しており、本拠地の新潟県が103店と最も多く、千葉・長野・福島・三重・茨城の各県に50~60店舗出店しています。全体的に東日本の県で多く、中国・四国・九州や大都会を抱える東京・神奈川・大阪などは少なめとなっています。
※当社(日本ソフト販売)集計の店舗数には、「リフォーム店」や「パワーとPROの複合店」等も含まれています。
ワークマン(他2ブランド)~「WORKMAN Plus」躍進 4年間で17.5%増~
ワークマン3ブランド(ワークマン、WORKMAN Plus、ワークマン女子)合計の年推移をみると、28店、43店、41店、34店と順調に増やし、4年間で17.5%の大幅増となりました。
運営会社は「株式会社ワークマン(1982年設立・東京都台東区)」。1980年、株式会社いせや(ベイシアグループの母体)の一部門として、群馬県伊勢崎市に「職人の店 ワークマン」1号店をオープンしたのがチェーンの始まり。「ベイシア」「カインズ」とともにグループの中核を担う企業です。
また、ベイシアグループは昨今一般的となっている「持ち株会社が統括するグループ」ではないため、親子関係ではなく、「いせや」を母体とする企業の集合体といったところ。M&Aに頼らず、それぞれの専門チェーンが強みを活かして成長を遂げている点が特徴です。
都道府県別の出店状況(2023年2月時点)をみると、「ワークマン」は埼玉県(45店)、愛知県(42店)、東京都(35店)の順に多く、「WORKMAN Plus」は大阪府(33店)、埼玉県(32店)、神奈川県(28店)の順。2020年スタートの新業態「ワークマン女子」は今のところ15都府県・計26店舗に止まっており、関東から広がりつつあります。
また、「WORKMAN Plus(2018年スタート)」はすでに47都道府県すべてにあり、店舗数自体もあと8店で「ワークマン」に追いつく勢い。「ワークマン」から「WORKMAN Plus」への業態転換の進行が窺えます。
ホームプラザナフコ ~家具店がルーツ 4年前比0.9%の微減~
当社の件数情報から経年推移をみると、3店減、1店増、1店減、プラスマイナスゼロとほぼ横ばいに推移しています。4年前比では、0.9%の微減となりました。
運営会社は、福岡県北九州市の「株式会社ナフコ」。1947年に家具店として創業し、1970年に会社設立、1973年にホームセンター実験店を開店しました。ホームセンター「ホームプラザナフコ」のほかに、家具・ホームファッションの「TWO-ONE STYLE(ツーワンスタイル)」も展開しています。
都道府県別出店状況(2023年2月時点)をみると、本拠地の福岡県が72店と断トツで、九州の山口・熊本県が27店ずつ、広島県(26店)、長崎県(23店)、鹿児島県(22店)と続きます。33都道府県に展開しており、上位は九州と中国の県で占められています。東北・北海道は未進出です。
ホームセンターコーナン ~近畿圏の草分け 4年間で22.4%の大幅増~
17店増、8店増、15店増、11店増、と毎年前年を上回り、4年前に比べ22.4%の大幅増となりました。
運営会社は「コーナン商事株式会社(大阪市)」。1978年度に会社設立し、同年度、近畿圏ホームセンターの草分けとして堺市に第1号店をオープンしました。
2000年度には、店舗数ランキング11位の「コーナンPRO(プロショップ)」と、25位「コーナンホームストック(人口1万人前後のローカル商圏を対象にした小規模ホームセンター)」の1号店をそれぞれ開店しています。
また、M&Aとしては、2019年度にランキング14位の「株式会社建デポ」を子会社化し、「ドイト株式会社」のホームセンター事業およびリフォーム事業を承継しています。
「ホームセンターコーナン」の都道府県別の出店状況は、本拠地の大阪府が80店と最も多く、兵庫県(33店)、京都府(21店)と隣県が続き、神奈川県(20店)、東京都(18店)の順となっています。2023年2月現在、西日本中心に28都府県で展開しており、福島・宮城県以外の東北地方と北海道、北陸には未進出です。
DCM(他7ブランド)~ホームセンター事業を完全統合 4年前に比べ4.7%減~
8ブランド合計の4年間の経年推移をみると、6店減、5店減、1店減、13店減、と少しずつながら減少傾向を辿っています。
運営会社は「DCM株式会社」。同社はDCMグループのホームセンター事業統合により2021年3月に設立されました。さまざまな経緯を経てきた傘下ホームセンターの「完全統合」を象徴する会社です。
DCMグループは、1970年代からホームセンター事業を営んでいた「株式会社カーマ」「株式会社石黒商店」「株式会社ディック(ダイキが設立)」が、2003年に業務資本提携を締結して共同仕入会社を設立したことに始まります。その後持ち株会社「DCMホールディングス」体制のもと、2015年には「DCMカーマ株式会社」「DCMダイキ株式会社」「DCMホーマック株式会社」に社名を変更しました。
一方、2015年に「株式会社サンワド-」と、2016年「株式会社くろがねや」と株式交換をおこない、それぞれ「DCMサンワ株式会社」「DCMくろがねや株式会社」が誕生。
以来これらの事業会社がそれぞれのブランドで営業を続けてきましたが、「DCM株式会社」設立翌年の2022年3月、2年間をかけて屋号やロゴマークを順次「DCM」に統一していく方針が発表されました。
都道府県別出店状況(2023年2月時点)をみると、統合により誕生したブランド「DCM」は、北海道が41店と最も多く、愛知県(29店)、青森県(20店)、岩手県(19店)の順で続いています。
一方、この時点でまだ屋号の変更が完了していなかった店舗が多いのは、「DCMカーマ」が愛知県(62店)、「DCMホーマック」では北海道(45店)、「DCMダイキ」は愛媛・広島県(各18店)です。また、少数ながら「DCMくろがねや」は山梨県で、「DCMサンワ」も青森・秋田・北海道で残っています。
これらの道県はいずれも元の事業会社発祥の地。もともと店舗数が多かったこともあり、旧屋号の店舗が多数残っているものと推察できます(※)。
※2023年4月現在(当記事作成時点)、DCMホームページ上の「店舗・チラシ検索」に上記の旧屋号はなく、「DCM」で統一されています。
カインズ ~売上高では首位 店舗数は4年間で6.6%増~
当社がもつ経年情報を辿ると、2020年は前年比プラスマイナスゼロ、その後は6店増、5店増、4店増と少しずつ増えています。その結果、4年間で6.6%の堅調な伸びとなりました。
運営会社は、1989年に母体企業(いせや)から分社・独立してできた「株式会社カインズ(埼玉県本庄市)」。店舗数ランキング2位の「ワークマン」同様に「ベイシアグループ」の中核企業となっています。1978年に1号店(栃木店)を開店し、2000年に売上高・経常利益で業界ナンバーワンに。近年はDCMグループと売上高1位の座を競い合っていましたが、直近3期(2020~2022年の2月期)の売上高では首位となっています。
また、2022年3月には、都市型ホームセンター・雑貨店の「東急ハンズ(現社名・株式会社ハンズ)」を子会社化したことでも話題になりました。
カインズの出店地域(2023年2月時点)は、本拠地の埼玉県が32店と最も多く、群馬県(31店)、静岡県(25店)、千葉県(20店)の順で続いています。28都道府県に展開しており、店舗が多い上位10地域は関東と静岡・愛知・福島県。九州は福岡・熊本県にそれぞれ1店舗のみとなっています。
アストロプロダクツ ~オリジナルPB商品が豊富 4年間で10%増~
7店増、1店減、3店増、9店増と推移し、4年間で10%と順調に増加しています。
運営会社は「株式会社ワールドツール(埼玉県深谷市)」。1988年にアメリカ工具メーカーの正規代理店として創業し、1995年に工具専門店「アストロプロダクツ」の1号店をオープン、1999年からチェーン展開を開始しました。実店舗とともにオンラインショップでの販売にも早くから注力しています。
2019年には、大和ハウスグループのロイヤルホームセンター(店舗数ランキング22位)が、同社の株式を100%取得。子会社化の理由としては「プライベートブランド(PB)の商品力強化」をあげています。ワールドツール社が企画・製造(海外メーカーから直接店舗に発送)するPB商品を「アストロプロダクツ」で豊富に扱っているため、M&Aの対象となったようです。
2023年2月現在の都道府県別出店状況をみると、北海道と愛知が12店舗ずつ、神奈川県が11店、埼玉・千葉・福岡県が各10店、となっています。1~3店程度の都道府県が過半数を占めているものの、47都道府県すべてに漏れなく進出しています。
ホームセンター ケーヨーD2 ~DCMの「持ち分法適用会社」 4年前比7.9%減~
4年間の経年推移をみると、6店、2店、3店、3店と年々少しずつ減少しています。このため4年前と比べ7.9%減となりました。
運営会社は「株式会社ケーヨー(千葉市)」。ガソリンスタンドを営む「京葉産業株式会社(1952年設立)」がホームセンター事業に進出し、1974年に第1号店を開店、1979年に現社名に変更しました。また、1991年には「ケーヨーホームセンター」の店名を「ケーヨーデイツー」へ変更しています。
2017年に「DCMホールディングス」が同社と資本業務提携を結び、「持ち分法適用会社」としてDCMグループに組み入れられました。現在も関係は変わっていないものの、2022年10月にはDCMHDの保有株比率が20%強から30%強に引き上げられ、より連携が深まっているようです。
都道府県別の出店状況では、2023年2月現在19都道府県で展開しており、最も店舗が多いのは本拠地の千葉県(37店)で、長野県(22店)、埼玉県(17店)、東京都(15店)と続いています。東は宮城県、西は兵庫県までが出店範囲となっています。
ジュンテンドー ~ホームセンターの先駆け 4年前比0.8%減~
当社のデータから経年変化の状況をみると、2020年と2023年が前年に比べそれぞれ1店舗減少しており、2021・2022年はプラスマイナスゼロとなっています。結果、4年間で0.8減、数でみればほぼ横ばいといった状況です。
運営会社は、島根県益田市の「株式会社ジュンテンドー」で、1894年創業の医薬品販売業「順天堂」が同社の起源です。1969年に日本初のホームセンター(※)として「ハウジングランド順天堂駅前店」を開店しました。その後店名は「ホームセンター順天堂(1980年~)」、「ホームセンタージュンテンドー(1987年~)」と変更されています。
当社の件数情報から都道府県別出店状況(2023年2月時点)をみると、出店地域は中国・近畿地方の10府県に限られています。広島県(32店)、山口県(23店)、島根県(18店)の順に多く分布しています。
※一般的には、1972年に「ドイト(2020年コーナン商事が買収)」が埼玉県に出した店が、日本の本格的なホームセンターの1号店とされています。
コーナンPRO ~プロ業態の先頭を走る 4年前比64.8%の急増~
当社の件数情報を元に4年間の推移をみると、11店、15店、5店、15店とすべて前年を上回っています。その結果、4年間で64.8%増、店舗数では46店の増加となりました。
運営会社は「コーナン商事株式会社」。「コーナンPRO」の1号店オープンは2000年度で、東淀川菅原店に「建築・土木・電気工事・設備業に携わるプロのお客様対象の本格的ストア」として別館併設されました。2010年頃から出店を加速し、近年参入が増え続けている「プロショップ業態」の先頭を走っています。
都道府県別出店状況(2023年2月現在)をみると、23都府県に出店しており、本拠地の大阪府に35店と最も多く、兵庫県(11店)、東京・神奈川・京都(各9店)、埼玉県(6店)と続いています。北海道や東北(宮城県以外)、北陸は未進出です。
【まとめ】M&Aやプライベートブランド開発、プロ向け業態拡充等 の戦略つづく
経済産業省「商業動態統計調査(2023年4月公開)※」のホームセンター商品別販売額統計で前年比推移をみると、2019年まで3年連続で前年をわずかに下回っていたものの(99.6~99.7%)、2020年は106.8%と にわかに増加し、2021年は前年から10%近く落ち込み(97%)、2022年は若干持ち直し(98.6%)ています。
2019年以前の頭打ち状態 → コロナ特需による増加 → 反動減、といったここ数年の流れがはっきりと統計上に表れています。2022年の前年比98.6%は、反動減が続いているのか、持ち直しているのか、以前の頭打ち状態に戻ったのか、判断がつきかねる状況です。
※e-Stat 政府統計の総合窓口 商業動態統計調査 ホームセンター商品別販売額等及び前年(度、同期、同月)比
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=dataset&toukei=00550030&stat_infid=000031387998
どちらにしても、人口は減少し、戸建ての住宅着工戸数も減少傾向、ホームセンター市場が成熟・飽和状態にあることに変わりはありません。
このため、2021年版ですでに言及した、活発なM&Aやグループ内の再編、PB強化・開発、プロ向け業態の拡充、アウトドア等専門店の強化、店舗の大型化、といった「体質強化策」や「同業・異業種との差別化戦略」が、2023年版でも変わることなく続いています。
スーパーマーケットやドラッグストア、家具、家電など、業界の垣根を超えた競争が激化する中、ホームセンターが今後どのような方向に進んでいくのか 興味深いところです。
本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています
日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。
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