【2024年版】ハンバーガーチェーンの店舗数ランキング

2024年5月27日 | 業界・地域分析

ハーンバーガーチェーン店

テイクアウトやデリバリーを武器にコロナ禍を順調に乗り切り、その後も客足好調が伝えられるハンバーガー業界。昨今の店舗数はどのような動きをみせているのでしょうか。
2024年版(2023年4月~2024年4月)では、当社のチェーン店データを元に、ハンバーガーチェーン店舗数の月別推移やチェーン別店舗数ランキング、前年同月比増減状況など、過去記事(2022年版2023年版)との比較も交えて振り返ります。


データの集計方法について


  • 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのチェーン店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
  • 2024年4月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
  • 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
  • 店舗数の増減率(%)は、2024年4月と2023年4月の対比で算出しています(小数点2位以下は四捨五入)。

【月別推移】ハンバーガーチェーン店舗数
(チェーン全体、2023年4月~2024年4月)

↑1.6% 3年連続で 1%台の若干増


ハンバーガーチェーン全体の1年間(2023年4月~2024年4月)の店舗数推移をみると、2024年3月 わずかに前月を下回った以外は、横ばいまたは増加で推移しています。月ごとの増加数は1~25店程度と少ないものの、1年前と比べた前年同月比では 1.6%増となっています。
当社の集計を遡ると、2022年版の前年同月比では 1.2%増、2023年版は 1.5%増、そして今回が 1.6%増。3年連続で 1%台の若干増となりました。


ハンバーガーチェーン月別店舗数推移2024

店舗数の増減率(前年同月比)

業種 2023年4月 2024年4月 増減率(%)
ハンバーガー チェーン 6,485 6,587 +1.6

【2024年版】ハンバーガーチェーン 店舗数ランキング

増加 または 変動なしが多数 3年連続で大幅増のチェーンも


チェーン別店舗数ランキングを4月の前年同月比でみると、増加しているのは 15チェーン中 7チェーンで、減少とプラスマイナスゼロが 4チェーンずつで並んでいます。

突出した増加率は、ランキング8位の「ウェンディーズファーストキッチン(24.5%・13店増)」と、5位「バーガーキング(18.8%・35店増)」の 2チェーンのみ。このうち「バーガーキング」は、2022年版(27.3%・33店増)、2023年版(20.8%・32店増)、そして今回 2024年版と、積極的な出店姿勢をキープしています。
一方、「ウェンディーズファーストキッチン」の増加率が高い主な理由は、9位「ファーストキッチン」の店舗が「ウェンディーズファーストキッチン」へと転換されたことによるものです。両ブランドの運営会社は、2023年9月に「年内に関東のファーストキッチン 9店舗をウェンディーズ・ファーストキッチンへ転換する」と発表。当社データで月ごとの店舗数推移をみても、「ウェンディーズ・ファーストキッチン」は 同年 10月から11月にかけて5店増え、その後もが徐々に増加しています。一方「ファーストキッチン」は徐々に減少し、2024年3月までその傾向が続いていました。

そのほかの増加チェーンでは、上位3チェーンが3年連続で0.5~3%程度の安定した増加となっているほか、2019年に急減したあと微減傾向が続いていた「サブウェイ」が増加(6.6%・11店増)に転じた点が目立っています。
また、10~15位の小規模チェーンがプラスマイナスゼロ または プラスマイナス1店舗の「ほぼ現状維持」で足並みをそろえている点も特徴的です。

ちなみに、2023年4月に ゼンショーホールディングス傘下となったランキング4位「ロッテリア」は 3.9%・12店の減少となったものの、同社では2023年9月から新ブランド「ゼッテリア」の展開を始めています。今のところ(2024年5月) 9店舗ですが、今後の出店動向が気になるところです。


チェーン別店舗数ランキング(10店舗以上を展開する 計15チェーン)

順位 チェーン名 2023年4月 2024年4月 増減率(%)
1位 マクドナルド 2,951 2,967 +0.5
2位 モスバーガー 1,281 1,308 +2.1
3位 ケンタッキーフライドチキン 1,194 1,228 +2.8
4位 ロッテリア 308 296 -3.9
5位 バーガーキング 186 221 +18.8
6位 サブウェイ 167 178 +6.6
7位 フレッシュネスバーガー 163 155 -4.9
8位 ウェンディーズファーストキッチン 53 66 +24.5
9位 ファーストキッチン 57 43 -24.6
10位 クアアイナ 35 36 +2.9
11位 ドムドムハンバーガー 27 27 0
12位 A&W 23 23 0
13位 ラッキーピエロ 17 17 0
14位 TGIフライデーズ 12 12 0
15位 VILLAGE VANGUARD DINER 11 10 -9.1

ランキングは当社のチェーン店舗データをもとに作成しています


日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。


【まとめ】大手の業績を見る限り「順風満帆」だった 2023年度

大手3社は揃って「増収増益」 特に利益が急速に改善


業績を公表している大手 3社の決算をみると、まず「日本マクドナルドホールディングス」の 2023年12月期決算短信[連結](2023年1~12月)では、売上高が前期比 8.4%増、営業利益が 20.9%増、純利益では 26.2%増の「増収増益」。2024年12月期第1四半期(2024年1~3月)も、売上高 10.1%増、営業利益 34.4%増、純利益 27.4%増、といずれも前年同期を上回っています。

また、「モスフードサービス」の2024年3月期[連結](2023年4月~2024年3月)は、売上高が前年度比 9.4%%増、営業利益は 41億44百万円の増益、前年度は損失となった純利益が25億73百万円となりました。
「日本KFCホールディングス」の 2024年3月期[連結]も、売上高が前期比 10.8%増、営業利益 61.9%増、純利益 74%増と、利益が大幅に増加しています。

とにかく 2023年度中のハンバーガー大手3社の業績を見る限り マイナス要素は見当らず、「増収だが大幅減益」であった前年同期に比べると、利益が急速に改善していることがわかります。


利益の確保・向上に取り組む流れの中、「値下げ」するチェーンも


マクドナルドは上記決算短信の中で、一部商品の店頭価格改定(値上げ)が対前年比「増収」につながり、グローバル規模の原材料調達、より効率的な物流網の構築、為替ヘッジや経費削減の取り組み、より効率的なマーケティング活動 などが「増益」につながったと分析しています。
一方、モスフードサービスは、価格改定(値上げ)や店舗数増加、キャンペーン商品好調による売上増で各種コストの上昇分を吸収し、販管費の抑制を徹底して「利益確保に取り組んだ」とのこと。同社では 高付加価値・高単価の定番商品も新たに発売しています。
また、中小チェーンの間では、インパクトがあるプロモーションや商品開発により、ブランド認知度の拡大を図る動きが活発化しています。

このように 値上げや高付加価値商品の開発、ブランド力向上等によって収益性を高める動きの一方、ロッテリアは 2024年2月から、平日昼限定の定番商品として 従来より90~100円安くなる ランチセットの販売を開始。逆張りともいえる「値下げ」戦略を打ち出しています。同社はプレスリリースで「商品やサービスの値上がりが続く中、このような時期だからこそお食事を気軽にお楽しみいただきたい」と表明しており、2023年4月から親会社となったゼンショーHDの食材調達網を活かして値下げを実現したもようです。

ハンバーガーチェーン各社のそれぞれの戦略が、今後業界にどのような変化をもたらすのか、注目していきたいところです。


本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています


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