【2024年版】カーディーラーの店舗数ランキング

2024年7月29日 | 業界・地域分析

カーディーラー

コロナ禍で起こった新車の生産停滞と中古車の需給ひっ迫・価格高騰が一旦は緩和に向かったものの、このところ再び同じような状況になりつつある自動車販売業界。カーディーラー店舗数はどのような動きをみせているのでしょうか。
今回の2024年版(2023年4月~2024年4月)では、当社のチェーン店データを元に、カーディーラー店舗数の月別推移やチェーン別店舗数ランキング、前年同月比の増減状況を集計しました。


データの集計方法について


  • 集計元のチェーン店データは、チェーン店の公開情報を当社が調査・収集したものです。すべてのチェーン店を網羅したものではありません。また、実態とは異なる場合がありますのでご了承ください。
  • 2023年4月時点で、国内に10店舗以上展開しているチェーン店を集計の対象にしています。
  • 当社のチェーン店データ調査・収集は毎月を基本としていますが、隔月など定期収集のチェーンもあります。表・グラフの対象月に収集がなかったチェーンの場合、当月時点で最新のデータを記載しています。
  • 店舗数の増減率(%)は、2024年4月と2023年4月の対比で算出しています(小数点2位以下は四捨五入)。

【月別推移】カーディーラー 店舗数(全体、2023年4月~2024年4月)

↓0.4% 前年比は わずかながら減少に


カーディーラー全体の1年間(2023年4月~2024年4月)の店舗数推移をみると、、2023年の5・6・7月は連続して前月を下回っており、特に 5月は74店舗減と 1年間で最も多く減少しています。その後、2024年1月にかけては若干増または横ばいが続き、2・3月には また前月を やや下回っています。
この結果、2024年4月と2023年4月の前年同月比では、0.4%の微減となりました。2023年版(1.3%増)と 2022年版(1.8%増 ※)は、どちらも若干増加していたものの、今回はわずかながら減少に転じました。


※2022年版は、2022年7月と2021年7月の比較。


カーディーラー月別店舗数推移

店舗数の前年同月比増減率

業種 2023年4月 2024年4月 増減率(%)
カーディーラー 19,873 19,788 -0.4

【2024年版】カーディーラー 店舗数ランキング

中古車店は増加傾向、新車・外車店はやや減少傾向


チェーン別店舗数ランキングを4月の前年同月比でみると、上位 30チェーンのうち、増加しているのは11チェーンで、減少が 18、プラスマイナスゼロが 1となっています。過半数が減少となり、店舗数に変わりがなかったのは「三菱ふそうトラック・バス」1チェーンのみ と少ないのが特徴的です。

最も増加しているのは ランキング7位「ホンダ(中古車)」の 12.2%・94店舗増で、微減・微増が多い中 ひときわ目立っています。次いで増加率が高いのは「ダイハツ(中古車)」の 6.1%・39店舗増。「スズキ(中古車)」も0.3%の微増となっており、中古車店の拡充傾向が窺えます。

上位は、店舗数 1位の「トヨタ自動車(1.4%減)」をはじめ、「ホンダ(0.6%減)」「スズキ(1.4%減)」「ダイハツ(0.8%減)」「マツダ(0.6%減)」と 微減がほとんど。その中で「日産」のみ 1.9%増と健闘していますが、同系列のブランド(プリンス、サティオ、モーター、チェリー)を合算すると 1.8%減となり、他のメーカー系列ディーラーと同じような傾向となります。

外車ディーラーは「BMW」「アウディ」「ジープ」「ルノー」は増加しているものの、「メルセデス・ベンツ」「フォルクスワーゲン」「MINI」「ヤナセ」「ボルボ」「プジョー」「フィアット」「アルファロメオ」は減少と、減少の比率が多めになっています。


チェーン別 店舗数ランキング(上位30)

順位 チェーン名 2023年4月 2024年4月 増減率(%)
1位 トヨタ自動車 4,938 4,867 -1.4
2位 ホンダ 2,341 2,328 -0.6
3位 日産 1,438 1,466 +1.9
4位 スズキ 1,187 1,170 -1.4
5位 ダイハツ 1,028 1,020 -0.8
6位 マツダ 950 944 -0.6
7位 ホンダ(中古車) 769 863 +12.2
8位 スバル 772 759 -1.7
9位 ダイハツ(中古車) 637 676 +6.1
10位 日産(プリンス) 706 636 -9.9
11位 三菱自動車 601 589 -2.0
12位 スズキ(中古車) 379 380 +0.3
13位 メルセデス・ベンツ 328 327 -0.3
14位 フォルクスワーゲン 305 292 -4.3
15位 いすゞ自動車 285 283 -0.7
16位 三菱ふそうトラック・バス 259 259 0
16位 日野自動車 258 259 +0.4
18位 BMW 256 257 +0.4
19位 日産(サティオ) 230 229 -0.4
20位 レクサス 217 222 +2.3
21位 MINI 214 211 -1.4
22位 UDトラックス 201 202 +0.5
23位 ヤナセ 198 187 -5.6
24位 アウディ 183 186 +1.6
25位 ボルボ 126 124 -1.6
26位 ジープ 101 104 +3.0
27位 プジョー 96 94 -2.1
27位 フィアット 96 94 -2.1
29位 アルファロメオ 91 90 -1.1
30位 ルノー 80 81 +1.3

ランキングは当社のチェーン店舗データをもとに作成しています


日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。


【まとめ】ディーラ店舗数の減少傾向がやや進行か

カーディーラーの店舗数ランキングの前年比増減率をみると、上位大手メーカー系の新車ディーラーは、2022年版2023年版、今回2024年版、と前年比で微減傾向が続いています。そして10位以降のディーラーは、2022・2023年版では増加したディーラーの数が多かったものの、今回は減少したところが多くなっており、店舗の減少傾向がより進行しているようにも見えます。

コロナ禍以降、半導体不足や認証不正問題など、自動車販売に影響を与える出来事が相次いで起こっています。それが大手メーカー系列ディーラー等の店舗数に、直ちに大きな影響となって表れるとは考えられないものの、人口減や都市部若年層のクルマ離れ、電動化といった環境変化の中、ディーラー店舗の役割や機能のあり方など、自動車販売業界が変革期を迎えていることは確かであるといえます。

利用者の利便性を確保しながら進めなくてはならない「経営効率化」、自動車整備士の人手不足問題、HV・EV化が進む中での整備収益確保など、課題が山積する中をどう乗り切っていくのか、今後の動向が気になるところです。


【参考データ】自動車の登録・販売動向(国内、2022年7月~2024年6月)

【新車】2024年1月から、前年を下回る展開に


一般社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表している新車(登録車数※1+軽自動車販売台数※2)の ここ2年(2022年7月~2024年6月)の動向を前年比でみると、2022年9月から増加となり、増加幅は変化しながらも2023年12月まで16カ月にわたり前年を上回る状態が続いていました。ところが、今年(2024年)1月に入り前年比 87.6%の減少に転じ、2月(80.8%)、3月(78.9%)と 減少幅が広がっていきました。4~6月は改善に向かったものの、依然として100%を切る状態です。

この間の自動車業界の業況をたどると、2021~2022年は半導体不足や部品の調達遅れ等でメーカー各社が大幅な減産を余儀なくされたものの、2022年の秋頃から半導体不足が緩和へと向かい、2023年は生産が回復して増加基調に。しかし、認証不正問題で 2023年12月にダイハツ工業の国内完成車工場すべてで生産停止。さらに、今年(2024年)6月には、トヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキの 5社 計38車種で「型式指定」の認証不正が発覚し、生産・出荷停止の事態となっています。


※1 車の登録とは、ナンバープレートの交付を受けて公道を走れるようにするための手続きで、普通車は運輸支局へ、軽自動車は軽自動車検査協会へ届出をおこないます。登録車数は登録された時点での台数であり、店舗等で契約した時点での台数ではありません。

※2 軽自動車については全国軽自動車協会連合会調べ(https://www.zenkeijikyo.or.jp/statistics)。


新車 前年比推移

・上記グラフは、下記公表データをもとに日本ソフト販売が作成したものです。
出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会 新車統計データ 登録車+軽自動車台数統計
https://www.jada.or.jp/pages/343/



【中古車】価格上昇、成約率高水準、海外輸出活発化


一方、中古車登録台数(※)をここ2年の前年比増減状況でみると、2022年7月から2023年3月にかけては前年を数%ずつ下回る状態が続いたものの、2023年4月に増加に転じた後 少しずつ拡大傾向をたどり、2024年2月にこの期間中(2022年7月~2024年6月)の最大値(111.1%)となりました。しかし、翌 3月は一転 前年割れとなり、4・5月は前年を堅実に上回り、直近の6月はまた前年を5%下回る・・・と、最近になってやや乱調気味に動いています。

2021~2022年の中古車は、半導体不足や部品の調達遅れによる新車供給難の影響を受けて買い取り・下取りが減り、オークション出品台数も減少、品不足・価格高騰の状態となりました。その後、2022年の秋頃からの半導体不足緩和に伴って中古車価格も落ち着きを取り戻したものの、ここ数カ月(2024年7月以前の)は新車販売の停滞等により需給がひっ迫、再び価格の高騰局面を迎えています。


※中古車登録台数は、登録された時点での台数であり、小売台数ではありません(新規登録台数と所有権の移転登録台数及び使用者名の変更登録台数の3つの手続きを合算したもの)。


中古車 前年比推移

・上記グラフは、下記公表データをもとに日本ソフト販売が作成したものです。
出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会
中古車登録台数(月報)、中古車登録台数(過去データ)
https://www.jada.or.jp/pages/114/



本記事は当社のチェーン店舗データをもとに作成しています


日本ソフト販売が提供する、全国のチェーン店舗データ(飲食店・コンビニ・ドラッグストアなど)についての詳しいサービス情報は、こちらからご覧いただけます。


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